実はコーヒーがちょっと苦手でした。
そんなわたしが、今ではおいしい一杯のために、とあるケトルが欲しくなっています。
機能の充実したコーヒーメーカーではなく、ケトルで淹れたくなる理由とは。
食後に息抜きにと、日常のひとこまとして欠かせない、コーヒーとケトルについてのお話です。
コーヒーをていねいに淹れたくなるケトル
コーヒー好きの友人の家に招いてもらい、カップを片手に他愛ない会話を重ねるうちに、いつしか、あのコーヒーが飲みたいな…とふとしたときに思うまでになりました。
ところが、今では、もうあのコーヒーは飲めません。友人は、仕事をきっかけに遠い国に引っ越してしまったのです。よって、彼女が戻ってくるまでは、あのおいしいコーヒーが飲みたいという願いは叶うことはありません。おいしい記憶というのは、香りとともにあるんだなぁと、自分で淹れたちょっと香りの足りないコーヒーを飲みながら、しみじみと感じています。
Mari・stainless kettle
あるとき、その友人からおすすめされた映画『かもめ食堂』。ストーリーもいいけれど、ファッションやインテリアがとにかくステキだという言葉どおり、映像のすみずみまで眺めて楽しめるこだわりにあふれた作品でした。
その映画の中で、コーヒーをドリップするのに使われていた小さな銀のケトルが、フィンランドにあるOPA社の『Mari』です。
すっとせり上がった注ぎ口と「ケトル」というより「やかん」と呼びたくなる安定感のあるフォルムが特徴。しかし、そこは北欧物。ハンドルとフタのつまみが、シンプルながらもスタイリッシュ。
サイズは急須のような小ささがかわいい0.5リットルと、それよりもふたまわりほど大きい1.5リットルの2種類。いずれもケトルとはいえ、日本のやかんよりも小ぶりです。1.5リットルサイズならば、だいたいコーヒーカップ5杯ぶんのお湯が作れるため、今あるやかんと差し替えても問題なさそうですし、何よりキッチンがすっきりし、北欧のこなれた空間に近づけそうです。
最近では、無印良品のコーヒーメーカーが数ヶ月待ちになるほど、人気の家電のひとつとなったコーヒーメーカーですが、誰かとキッチン越しに話をしながら、ゆっくりと豆の状態を見ながら手で注ぐ、あの感じも捨てがたいです。『かもめ食堂』の中で、熱くなる取っ手部分にふきんを1枚挟んでいましたが、そのひと手間かけるというプロセスが、ていねいに淹れた一杯というアナログ的な味わいをもプラスしてくれるのかもしれません。
もしかしたら友人が出してくれたようなあのおいしいコーヒーが再現できるかも…なんて自分に言い訳をしながら、いつか買ってしまいそうなケトルです。
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